産業ガス業界辞典
Dictionary
産業ガス業界辞典
脱気
【Deaeration】
読み:だっき
ボイラー循環水や食品・飲料用原料水中の溶存酸素を不活性ガスである窒素を用いて除去する技術のこと。ストリッピングとも言われる。
ボイラー循環水のように閉鎖配管内で繰り返し使用する水は、長年使用していると水中の酸素分により配管の腐食、スラリが堆積、水質の悪化、機器トラブルにつながる。そこで循環水中の酸素分を除去する脱気処理が必要となる。
もともと脱気には脱酸剤と呼ばれる薬品(ヒドラジン、亜硫酸ナトリウム)が使われていたが、これら薬品の環境負荷や人体への影響を考慮して、窒素ガスによる脱気処理法が登場したわけだ。窒素で溶存酸素を取り除く仕組みは、窒素ガスを水中でバブリングして酸素分を追い出すというものだ。
「水中での気体溶解度は接触する気体の分圧に比例する」というヘンリーの法則に基づき、水と接触する窒素雰囲気を99.9%とすることで、酸素分圧を空気中の21%から0.1%にし、同様に水中の酸素濃度を減少させていくのである。