産業ガス業界辞典
Dictionary
産業ガス業界辞典
LNG液酸
【Liquefied Natural Gas】
読み:えるえぬじーえきさん
天然ガスを海外から輸入する際、運搬効率の向上を目的とし、マイナス160℃まで冷却・液化している。
この液化天然ガス(LNG)は気下する際、1kgにつき200kcalの冷熱を発する。LNG冷熱と呼ばれるこの冷熱を無駄にせず、様々な形で利用する方法が模索された。
その一つが、LNGによる液体酸素・窒素製造、所謂LNG液酸である。深冷空気分離装置によってセパレートガスを生産する際、発生した窒素を「寒冷発生サイクル」と呼ばれる循環工程に送り、循環窒素圧縮機、フラッシュボトルを通して圧縮膨張により冷却、液化させ、精留塔内に冷熱を発生させているが、この冷却工程の一部にLNG冷熱が利用されている。
具体的には、LNG配管と圧縮後の循環窒素配管を密接させ、LNGと圧縮窒素を熱交換、窒素は約マイナス140℃まで冷却される。
この工程により、循環窒素圧縮機の小型化が可能となり、電力消費量にして約半分のコストダウンが可能となっている。