【市場動向】アセチレンの希望の星、真空浸炭向け需要

IHI機械システムの基本特許2016年期限切れで炉メーカー群雄割拠時代に突入

アセチレン需要は溶断分野では低落傾向を辿っているが、ここにきて唯一好調な動きを見せているのが、真空浸炭向け需要である。この要因は、IHI機械システム（元日本ヘイズ）が取得していた真空浸炭にアセチレンを利用する基本特許が2016年に期限切れとなったことである。
　自動車部品を中心に真空浸炭炉にアセチレンを使う技術は高い評価を受けてきた。しかし、これまでは一社独占であったため、最終ユーザーとしては技術やコストの比較対象が出来ないことから一定の導入件数に止まってきた。仕方なくエチレンやLPガスなど他の炭化水素系ガスを使用せざるを得なかった。

【燃料電池】実力充分も水素インフラが課題のFCフォークリフト

豊田自動織機が昨年11月に市販開始、米国ではすでに1万台が普及

産業車両の筆頭ともいえるフォークリフトに水素化の波が訪れている。
トップメーカーの豊田自動織機は昨年11月、国内初でFC（燃料電池）フォークリフトを販売開始。長期戦は覚悟の上で本格的な市場開拓を始めた。二位メーカーのニチユ三菱フォークリフトも製品開発を終え、いつでも販売展開できる体制を整えている。
実はフォークリフトの水素化は米国が先行中。米では2009年頃からFCフォークリフトの導入が始まり、現在は普及台数が1万台に達した。これは自動車ではなく産業車両から水素化を進めようとする連邦政府の戦略と手厚い補助、また世界的なFCスタックメーカーである米プラグパワー（Plug Power）の存在が関係している。

【地域市場再発見　九州その①】自動車、半導体活況に沸く北西部九州工業ガス市場

補助金主導の機械特需継続。大型再開発案件にも期待

猛暑が続く8月下旬の九州北西部は、夏休みシーズンということもあり、国内外問わず多くの観光客が訪れていた。山陽新幹線の終点であり、福岡空港にも程近いJR博多駅は特に人の流れも多く、一段と活気を見せていた。
同様に地元工業ガス市場も、主要産業の活況や補助金効果で賑わった模様である。昨年から今年にかけての需要動向を域内メーカー各社に尋ねたところ、概ね上向きとの回答が返ってきた。

【採用】2017年ガスメーカー11社・ディーラー12社新入社員数、前年比75名増の465名採用

2017年4月、新たにガス企業に入社する新入社員数は、本誌調べによると、メーカー11社で前年54名増の301名、ディーラー12社で同21名増の164名、合計465名となった。
　5年前である12年の新入社員数はメーカー232名、ディーラー115名であり、13年にやや落ち込んだものの、以降採用人数は右肩上がりで推移しており、今年はメーカー採用が300名を超えた。
メーカーでは、岩谷産業が前年比で1名減じたのみで、他の企業は前年を超える採用人数となっている。その岩谷産業も72名を採用、この人数は11社中最大人数である。